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PSVTの薬物治療

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こんにちは。bob.channelです。

 

前回、抗不整脈薬についてNa、K、Caがどうのように作用し頻脈を改善させるのかを書きました。

 

今回はPSVTの薬物治療についてにポイントを絞って記事にしていきます。

PSVTの種類等は 発作性上室性頻拍(PSVT)について こちら!

✳︎注意✳︎
治療はここに載せていることが全てではないです。それぞれの施設やガイドラインを基に臨機応変に対応する必要があります。

 

【不整脈別解説、薬物療法】

1.PSVTの薬物治療

ほとんどの発作性上室性頻拍はカテーテルアブレーション(ABL)で根治できるので薬物治療は発作を止める、またはABLを希望しない患者に対する治療です。

 

⑴PSVTの治療の考え方

PSVTをみかけたら、まず緊急or緊急ではないのかを判断します。緊急時は生命を脅かす状態ですので薬物療法で薬効を待つ時間はありません。緊急かどうかを判断するための指標を示してます👇

「PSVT 治療」の画像検索結果

引用:https://kanri.nkdesk.com/naika/fusei.php

この図から分かるように緊急時(血行動態破綻など)はDC、高度ペーシングが必要であるため薬物治療が第一選択にはなりません。

 

PSVTなのかATなのかこの波形はなに?と思った時でも、アデノシンやベラパミルを投与し発作が治ればPSVT、治らないならATと判断できます。

この記事では薬物治療の中でもよく用いられる、アデノシンとベラパミルについて解説していきます。

 

①ATP アデノシン(アデホス)

ATP製剤のアデノシン(アデホス)

→ATP製剤でKチャネルとCaチャネルに作用
→洞結節、房室結節に作用

※HR166回/分以上の比較的速い発作に有効

  • Kをブロック
    ➡︎心臓が休んで(不応期が伸びる)頻拍が改善
  • Caを抑制
    ➡︎興奮が開始できない、興奮の頻度が減るため頻拍が改善

こちらの記事にK、Caの役割などは記載してます抗不整脈薬とは?Na、K、Caの働きから作用を考える

 

イメージとしてはKチャネルブロッカーとCa拮抗薬をいいとこ取りしたような薬剤がアデノシン!

即効性があるため頻脈がすぐに改善するが、半減期が短いためすぐに再発することもある。

🙆‍♂️腎代謝で透析患者や腎機能障害(Cr2.0mg/dl以上)でも使用可

🙆‍♂️肝機能障害(T-bil3.0以上)でも使用可。左心機能への影響は不明

 

②ベラパミル(ワソラン)

Ca拮抗薬のベラパミル(ワソラン)
→洞結節、房室結節に作用

※HR186回/分以下の比較的遅い発作に有効

 

  • Caを抑制
    ➡︎興奮が開始できない、興奮の頻度が減るため頻拍が改善
  • 他のCa拮抗薬よりも血圧低下の程度は軽い
  • 刺激伝導系に作用する
  • ATPほど速効性がない
  • 再発は少ない
  • 心収縮力(左心機能)が低下する
  • 肝臓代謝(80%)、残り20%は腎代謝

🙆‍♂️透析患者には使用可能

🙅‍♀️腎機能障害(非透析患者でCr2.0mg/dl以上)には禁忌

🙅‍♀️肝機能障害(T- bil3.0mg/dl以上)にも禁忌

✴︎腎・肝機能障害は上記の数値以下の場合は慎重投与

 

WPWを伴うAFやAFLにCa拮抗薬は禁忌であり緊急時は鑑別が困難など、上記のアデホス、ワソランの違いから〝アデホスの方が安全性が高く使用しやすい〟と考えられる。

医師により若干指示が変わるので指示を確認し正確に薬剤を準備しましょう。

 

不整脈薬物治療に関するガイドラインでは

『ATP』10mgを1〜2秒で静注、または『ベラパミル』5mgを‘5分前後’で緩徐静注と記載されている

 

循環器医のための心肺蘇生・心血管救急に関するガイドラインでは下記のように記載されている

 

①『ATP』10mgを急速静注
⬇︎
⬇︎無効
⬇︎
②20mgを2回まで投与
⬇︎
⬇︎それでも持続
⬇︎
③『ベラパミル』2.5〜5mgを2分かけて投与

 

2.まとめ

PSVTの薬物治療

  • 緊急時は薬物治療ではなく、DC50〜100Jショックから斬増、高頻度ペーシング
  • PSVTにはアデノシンorベラパミル
  • アデノシンはHR166回/分以上の速い発作に有効
  • ベラパミルはHR186回/分以下の遅い発作に有効
  • アデノシンは副作用が少なく、腎・肝機能障害にも使用可
  • ベラパミルは腎・肝機能障害には慎重投与または禁忌

 

 

以上、bob.channelでした〜

 

読んでいただきありがとうございます。

 

 

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