洞不全症候群(SSS)

洞不全症候群(sick sinus syndrome=SSS)について

投稿日:2020年1月8日 更新日:

 

こんにちは。bob.channelです。

 

今日は洞不全症候群(SSS)について解説していきます。

 

循環器内科病棟でやたらと脈の遅い患者さんがたまにいますよね。ペースメーカー植え込み前で入院してるとか、意外に多いのはどっかで意識消失して救急搬送されてきたら徐脈だったとか。

 

循環器以外の病棟でもSSSの患者さんはいますし、SSSが原因でペースメーカー植え込みした方も多いので知っていた方がいい不整脈と言えると思います。

 

では、さっそく解説していきます。

 

【不整脈別解説】

1.洞不全症候群(SSS)とは

sick sinus syndrome(シック サイナス シンドローム)を略してSSSと呼んでいます。シックサイナスと呼んでいる人もいますね。

 

ワードが難しいので噛み砕きながらいつものごとく、イメージしましょう!イメージできれば洞不全症候群は簡単です。

‘洞’不全を‘洞結節’不全と勝手に名称を変えて考えてみてください。

 

洞結節不全かぁ、洞結節の働きが弱いのであれば、徐脈になりそうだな。P波が少ない、P波が出ないみたいな波形になりそう!

 

とイメージできませんか?このイメージが洞不全と言えます。

 

⑴洞不全症候群(SSS)の特徴

洞結節は 刺激伝導系のスターター(一番最初に刺激の司令を送るペースメーカーの働き)で心電図ではP波部分にあたるためP波の不全と考えると

  • P波が少ない(徐脈)
  • P波が出ない(QRSも続かなければ洞停止)

などの 波形になります。

 

刺激伝導系は 刺激伝導系ってなに?刺激伝導系の目的は?心電図との関係は? こちら!

 

⑵洞不全症候群(SSS)の分類

1つずつ解説していきます。

 

①洞不全症候群(SSS)Ⅰ型:洞性徐脈 HR50回/分以下

  • Ⅰ型:HR50回/分以下の徐脈 →様子観察

HR50回/分以下の徐脈は健常人でも認める。しかし、運動中など心負荷が加わっている時にも心拍数が上昇しない場合は問題となる。特に自覚症状がなければ様子観察、定期的に受診し経過をみていくことが多い。もしβブロッカー等の内服をしている場合は減量、中止を考慮する(徐脈を悪化させる可能性があるため)。

 

②洞不全症候群(SSS)Ⅱ型:洞停止または洞房ブロック

  • Ⅱ型:洞停止(pause ポーズ)または洞房ブロック(SA block) →症状あればペースメーカー適応
〈洞停止とは〉

P-QRS-T全てが出ない状態。ということは、、心臓が動いてないため血圧はでない(アダムス・ストークス発作)。

洞停止が続くと 死に至るため洞結節より下位の自動能が発揮され補充収縮が出ることも多い(補充収縮が連続してでることを補充調律という)

アダムスストークス発作と補充収縮・調律はこちら 補充収縮、補充調律、ジャンクショナルリズムとは

もし補充収縮がでなければ洞停止時間が長くなるためペーシングが必要になる。3秒以上P-QRS-Tが出ないことを洞停止と呼ぶことが多い

 

〈洞房ブロック(SA block)とは〉

P-QRS-Tが一拍抜ける(P-P間隔が整数倍になる)状態。

たまに 抜けるだけなら問題ないが 洞房ブロックはSSSの場合が多いため症状の有無が重要(症状があればペースメーカーの適応)。

 

③洞不全症候群(SSS)Ⅲ型:徐脈頻脈症候群

  • Ⅲ型:徐脈頻脈症候群(徐脈と頻脈を繰り返す状態) →症状あればペースメーカー適応

頻脈に対して必要不可欠な薬剤により徐脈をきたす場合や、徐脈性心房細動により失神、痙攣、眼前暗黒感、めまい、息切れ、易疲労感、心不全などの自覚症状がある場合にペースメーカーの適応になります。

 

徐脈頻脈のイメージ、、、

徐脈になると脈を速くしようと頑張った結果、心房細動(AF)や上室頻拍(SVT)になり、頻脈になる。すると、次は脈を遅くしようとして徐脈になる。

→結局、洞結節が機能しないため適切にHRコントロールできず、徐脈になったり、頻脈になったりする

 

徐脈頻脈時の頻脈時は発作性心房細動(PAF)や発作性上室頻拍(PSVT)、徐脈時は洞停止、補充収縮(調律)、徐脈性心房細動などがみられることもある。

 

✳︎徐脈頻脈時のポイント👉頻脈から徐脈になる時に洞停止を伴うことが多いこと

〈オーバードライブサプレッションとは〉

➡︎自動能を持つ心筋は正常な調律(例えばHR60〜100)よりも速い電気刺激には従い(頻脈)、その速い刺激が停止すると洞停止が起こる。これを オーバードライブサプレッション という。

イメージ、、、
頑張り過ぎる(頻脈)と一旦休憩(洞停止)を挟まないと動けない

 

 

⑶洞不全症候群(SSS)の症状

失神、痙攣、眼前暗黒感、めまい、息切れ、易疲労感、心不全などが出現する可能性があります。

SSSで自覚症状の有無は重要です。

→その症状によってペースメーカーの適応が決まる場合があるからです。

 

看護師の症状観察が重要とも言えますね。

 

⑷洞不全症候群(SSS)の治療

SSS自体を根本的に治療することは困難です。ABLや薬物治療で改善する場合もありますが。基本的にはペースメーカーの適応になるか、日常生活に支障がなければ、経過観察になることもあります。

〈ペースメーカー適応の基準、考え方〉

心室拍数<40/分(HR)、心室停止>3秒(QRSが3秒以上出ない)を目安にします。更に失神、痙攣、眼前暗黒感、めまい、息切れ、易疲労感、心不全などの自覚症状がある場合も適応になります。

 

【まとめ】

洞不全症候群とは、、、

  • ‘洞’不全を‘洞結節’不全と理解する
  • SSSはⅠ〜Ⅲ型に分類される
  • Ⅰ型:HR50回/分以下の徐脈
  • Ⅱ型:洞停止または洞房ブロック
  • Ⅲ型:徐脈頻脈症候群
  • ペースメーカーの適応基準は心室拍数<40/分、心室停止>3秒と自覚症状の有無
  • 看護師の症状観察が重要

 

以上、bob.channelでした〜

読んでいただきありがとうございます。

 

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