AF/AFL

心房細動(AF)の波形について

投稿日:2019年12月12日 更新日:

 

こんにちは。bob.channelです。

 

 

不整脈は心臓が

どんな異常な動きをしているから

心電図上はこうなる

という自分なりのイメージが

できるようになると一気に

心電図が得意になると思います。

 

自分がイメージできていると人にも

説明できるようになると思います。

 

なるべく読んでくれているみなさんが

イメージできる!イメージできた!

と思えるように書いていきます。

 

今日は病棟で頻繁に目にする

心房細動について書いていきます。

AF、Afとも呼ばれます。

 

ちなみに、以前はAF=心房粗動、

Af=心房細動と略されることが多かったですが

今はAF=心房細動、

AFL(フラッター)=心房粗動と略します。

 

でもいまだに昔のなごりが残ってるので

看護師の記録や医師の記録からも

心房細動はAfと記載されていることが多いですね。

循環器内科医はAFと記載していることがほとんどです。

 

今学生の方達がAF、AFLで教わっていたら

先輩との話や記録から読み取る情報が

噛み合わないってこともあり得るので

頭をアップデートしておくのをオススメします。

 

では、本題へ。

 

 

【不整脈別解説】

1.頻脈性不整脈の分類

まずは大まかにイメージすることが大切です。

 

〈頻脈の回数による分類〉

  1. 頻拍(Tachycardia)100〜250回/分
  2. 粗動(Flutter)250〜350回/分
  3. 細動(Fibrillation)350回以上/分

例)

心房細動の場合は心房の拍動350回以上/分

心室細動の場合は心室の拍動350回以上/分

 

ここ注意!!

➡︎心拍数は心室が何回動いたか

(すなわち、R-R間隔)なので

心房が350回/分動いたとしても

HR心拍数が350になるわけではありません。

 

拍動の回数による分類をイメージしてその次は

異常部位は?を考えます。

大きく分けて2つですよね。

心房or心室

これは簡単に見分けることができますね。

 

〈異常部位による分類〉

  1. Atrium)→narrow QRS(幅の狭いQRS)
  2. Ventricle)→wide QRS(幅の広いQRS)

ここまでは確実に理解しましょう!

ここまで分かるとAF、AFL、VT、VFが

どんな波形かイメージしやすくなりますよ。

 

2.心房細動(AF)とは?

なぜこの写真をチョイスしたのか、、

それはAFの85%程度が肺静脈と
左心房の境界付近で発生するといわれているから!

これで一生忘れない写真になりましたね?笑

 

心房細動をさっきの分類からイメージしながら考えてみましょう。

 

①心房細動の特徴と波形

心房が細動しているわけですよね。

心房が(narrow QRS)、細動(350回/分)!

→心房が細動してP波ではなく細動波(f波)が

でてさらに、QRSはnarrowである波形と分かりますね。

 

もう少し噛み砕いてみましょう。

心房細動とは
•心房が細動している状態
•心房収縮はできていない

心室への伝導もバラバラになるためR-R間隔は不規則になわけです

 

“心房が細かく動きすぎている”

ということは“正常なP波ではない”と想像できますね

P波の代わりに“f波(細動波)”が出現し

実際の波形では〝小刻みな揺れ〟を“f波”といいます。

 

<特徴>

  • P波がなく細動波が出現
  • R−R間隔が不規則

特徴はこんな感じですね。

 

<波形>

波形はこんな感じですね。

 

②心房細動の分類

  1. 発作性心房細動(PAF)
    →発生から7日以内のもの
    →自然に洞調律へ戻るもの
  2. 持続性心房細動(PeAF)
    →7日以上持続するもの
    →薬剤を使用して洞調律へ戻る
  3. 慢性心房細動(CAF)
    →半年以上持続

この分類は覚える必要はないですが、

例えば心房細動の治療であるPVIの治療効果が

変化します(成功率)ので

AFには分類があるということを知っておきましょう。

 

ちなみに

〔PVI後のAF再発率と再発理由〕

参考程度に。

こんな感じです。

 

③心房細動の症状

  • 動悸
  • 胸部不快感など

 

④原因/生理的要因

  • 緊張、過労、喫煙、アルコール過剰摂取など

 

⑤原因/病的要因

  • 高血圧、冠動脈疾患(虚血性心疾患)、僧帽弁や三尖弁の弁膜症
    →弁膜症や高血圧があると、心房が大きくなるため、心房細動が起こりやすい
  • 甲状腺機能亢進症
  • 先天性心疾患、肺気腫など
  • AFは左心系の心疾患に多く、AFLは右心系の心疾患に多い

 

⑥心房細動の一番の問題は?

血栓ができて脳梗塞などを引き起こすことですね、

これはみなさんご存知でしょう。

 

メカニズムはこんな感じ👇

血液は流れが悪いと固まる性質のため

心房が細かく動き‘心房収縮できていない’状態では

‘心房内で血栓’ができ、脳梗塞等を

引き起こすことがあり、問題になります。

 

もう一つそこまで問題にはならない問題があります。

心拍出量が約20%程度低下する可能性があることです。

 

正常な心臓の血液の流れは

心房拡張→心房と心室の圧較差で房室弁が開く→心室拡張期に心房内の約80%の血液が心室へ流入→心室の拡張期の終わり頃に心房が収縮→心房に残っている約20%の血液が心室へ流入

という流れです。

 

しかし、心房細動は先ほども述べたように

心房が細かく動く→心房収縮できていない→心房に残っている約20%の血液が心室へ流入できない→心拍出量が約20%低下

という流れになります。

 

この心拍出量低下は

心臓の機能が正常な人では

問題になることはほぼありませんが、

心機能が低下している方では

しばしば問題になります。

 

例えば、普段はさほどAFに関して

厳密に管理していなくても

心臓外科術後の心機能が低下している際に

心臓血管外科医がやたらと

サイナスに戻そうと薬剤を投与の指示が増えませんか?

理由は色々あると思いますが、理

由の一つに上記のことも含まれると思います。

 

⑦完全房室ブロック(CAVB、Ⅲ度房室ブロック)を伴う心房細動

まず完全房室ブロックは

心房の刺激が心室へ伝導しないので

心室の自動能で補充調律になり、徐脈。

さらに心房細動は心房が細かく動きすぎているのでf波となる。

  • AF+CAVB(完全房室ブロック)
    ⇨f波+RR間隔一定、徐脈(補充調律)

完全房室ブロックについてはこちら

 

⑧WPW症候群を伴う心房細動

WPW症候群はケント束を通って

心房の刺激が心室へ伝導するので

正常なQRSにはならず、

心房細動の小刻みな心房の刺激が

ケント束を通って心室へ伝わるため

QRSがですぎて頻拍になり

(通常は房室結節が伝導を遅延させる働きがある)

全身へ血流が送れない状態になる。

 

房室結節の働きは

刺激伝導系ってなに?刺激伝導系の目的は?心電図との関係は?

こちらを参考にして下さい!

 

WPW症候群の説明は

簡単にしかしてませんので今後記事にします。

  • AF+WPW症候群
    ⇨RR間隔不規則+デルタ波、wideQRS特に“アダムス・ストークス発作”、VFへの移行に注意

 

アダムス・ストークス発作とは…

不整脈が原因で

心臓から脳への血流が急激に低下して

眩暈や失神発作を起こすこと。

 

WPW症候群の15〜30%程度AFを合併するそうです。

  • 治療は原則、カテーテルアブレーション
  • 薬物療法は一般的なAFの治療と異なる
  • ジギタリス、Ca拮抗薬、βブロッカーは使用しない⇨副伝導路の伝導を促進させ、VFを
    助長する可能性があるため

✳︎抗コリン作用の少ない、サンリズムなどのI群抗不整脈を使用する

 

【まとめ】

心房細動は

  • P波がなく、細動波(f波)が出現
  • R-R間隔が不規則になる
  • 血栓による脳梗塞等に注意
  • 心拍出量低下の可能性がある
  • AF+CAVB(完全房室ブロック)
    ⇨f波+RR間隔一定、徐脈(補充調律)
  • AF+WPW症候群
    ⇨RR間隔不規則+デルタ波、wideQRS
    ⇨特に“アダムス・ストークス発作”、VFへの移行に注意

 

以上、bob.channelでした〜

 

抗凝固療法をしてる人としない人の違いなどは次回投稿します。

読んでいただきありがとうございます。

-AF/AFL

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