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心房粗動(AFL)について

投稿日:2019年12月20日 更新日:

 

こんにちは。bob.channelです。

 

心房粗動の波形は分かるけど詳しいことは分からない

例えば心房粗動に分類は?

発生部位は?

PSVTとの見分けは?

など難しいですよね。

 

本題に入る前に、

以前はAF=心房粗動、Af=心房細動と

略されることが多かったですが

今はAF=心房細動、AFL(フラッター)=心房粗動と略します。

AF=心房粗動については2記事で解説しています

👇以下を参照!

心房細動(AF)の波形について

心房細動(AF)で抗凝固療法をしてる患者としていない患者の違いは?

 

【不整脈別解説】

1.心房粗動(AFL)とは?

 

①心房粗動の特徴と波形

粗動は頻脈の回数による分類に当てはめて考えましょう。

分類は 心房細動(AF)の波形について こちらを参照!

 

特徴と波形

  • 右心房内をグルグル旋回(リエントリー回路)し
    250〜350回/分程度で心房か興奮している状態
    ⇨心房内で異常な興奮、ということは“正常なP波ではない”と想像
  • P波がなく、F波が出現
  • RR間隔は規則的のことが多いが、
    RR間隔は伝導比率によって変化する
    ⇨例えば4:1伝導(F波4個に対してQRS波1個)が
    持続するとRR間隔はほぼ規則的

しかし
2:1伝導(AFLで最も多い伝導)→3:1伝導→4:1伝導が混在
このように伝導比率がバラバラになるとRR間隔は不規則になる

✳︎1:1伝導の場合はF波1個に対してQRS波も1個になる

 

②心房粗動の原因・発生部位

  • 高血圧、冠動脈疾患(虚血性心疾患)、僧帽弁や三尖弁の弁膜症
    →弁膜症や高血圧があると、心房が大きくなるため、心房粗動が起こりやすい
  • 先天性心疾患、肺疾患、心膜炎(心膜炎の約30%にAFLを合併)など
  • 右房をさわる心臓外科術後(循環器外科術後はこれ多いですよね)
    →AFLのほとんどは右心房由来のため
    右心房に何らかの瘢痕を残す心臓外科術後にもAFLが発生しやすい
  • AFLは右心系の心疾患に多く、AFは左心系の心疾患に多い

 

③心房粗動の症状

  • 動悸
  • 胸部不快感など

AFLは頻脈の場合は症状が出ることもありますが

伝導比によっては頻脈にならずに無症状のことも多いです。

AF同様にAFLでも脳梗塞のリスクがあります(治療の項目で記載してます)。

 

④心房粗動の分類・発生部位

  • Type1
    →遅い粗動(240〜340/分)
  • Type2
    →速い粗動(340〜440/分)

👉Type1 はさらに細かく分かれる

  • 通常型心房粗動(common type)
    下壁誘導(Ⅱ.Ⅲ.aVF)
    陰性の鋸歯状波の粗動波、V1で陽性
    →右心房内の興奮旋回が反時計方向
    心房中隔および右房後壁を上行し、
    右房側壁および前壁を下行する
    反時計回りのリエントリーがある
  • 非通常型心房粗動(uncommon type)
    →通常型以外の粗動波
    →興奮旋回が時計方向で陽性の粗動波
    →右心房上部、右心房自由壁、
    左房に時計回り方向のリエントリーがある

 

AFLかもと思ったらまずはⅡ.Ⅲ.aVFに注目してみる!!

 

⑤2:1伝導の心房粗動(AFL)と発作性上室性頻拍(PSVT)の鑑別

そもそもなぜ2:1伝導AFLと

PSVTの鑑別が難しいのかについてから説明します。

AFLのHR250〜350回/分を約300回/分と考えると

1:1伝導でHR300回/分、

2:1伝導でHR150回

3:1伝導でHR100回、

4:1伝導でHR75回になりますね。

 

PSVTのHRは文献等で基準が異なりますが

ガイドライン上はHR150〜200回/分です。

2:1伝導AFLとPSVTのHRはほぼ同じだから

鑑別が難しいということです。

 

さらにPSVTはP波がQRS波に隠れていたり、

逆行性P波になっていたりしますので

P波はよく分からないことが多く一方、

AFLではF波が出現しますが2:1伝導ではF波なのか、

T波なのか、P波なのか見分けることは困難なことも多いです。

 

AFLとPSVTではっきり分かることはQRS波だけですが、

どちらも基本はnarrow QRSでHRもほぼ同じであるため

鑑別が難しいということです。

 

そこでPSVTの治療に用いるATP製剤(アデホス)

などを投与し、PSVTであれば頻脈が改善します。

2:1伝導のAFLの場合は頻脈は改善し、

F波が3:1、4:1と伸びていくため

F波であると判断でき、AFLと診断できるわけです。

 

⑥心房粗動の治療

頻脈でもなく、症状もない場合は様子観察になる場合もあります。

2:1伝導を示すとHRは約150回/分となり、

動悸や呼吸困難、胸痛、心不全、血圧低下などの症状がでます。

 

1:1伝導の場合はF波1個に対してQRS波も1個になり

HRは約300回/分(VFと同じ)となり、

血圧低下や失神など命に関わります。

 

3:1伝導でHR100回、4:1伝導でHR75回程度で

HR100回/分以下になると

無症状の場合が多いため緊急度は低くなります。

 

治療の流れはこちらの図を参照してください。

「心房粗動 治療の進め方」の画像検索結果

引用:https://kanri.nkdesk.com/naika/fusei.php

 

緊急時以外の洞調律復帰を目的とした

薬物療法など詳しいことはガイドラインを参考にしてください

http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf

 

頻脈の治療基準で覚えるべきは

HR150回/分以上は治療が必要ということです

(HR150以上が示すことはほぼ収縮期に時間を費やし、

拡張期に心臓が拡張する時間が残っていないため

血液をためれない→血圧保てない

さらに拡張期がほぼないから

冠動脈への血流もほぼなくなるということが問題です)。

 

また、AFLはカテーテルアブレーションの適応です。

三尖弁輪と下大静脈間の解剖学的峡部(CTI)の線状焼灼

により根治可能と言われています。

 

さらに心房細動(AF)に対する

アブレーション中にAFLが誘発される場合、

アブレーション以前に AFLが認められた場合、

AFアブ レーション後にAFL が出現する可能性が高いと

判断される場合にはCTI 線状焼灼を追加します。

 

AFの治療で肺静脈隔離術(PVI)とCTIを

同時にしていることも多いと思いますが、

上記の理由から同時に行っています。

 

非薬物療法のガイドラインも載せときます。

http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2018_kurita_nogami.pdf

 

AFLの脳梗塞発生頻度はAF(心房細動)の約1/3程度で

AFLの抗凝固療法は確立されていないためAFに準ずるとされています。

 

AFの抗凝固療法に関しては

心房細動(AF)で抗凝固療法をしてる患者としていない患者の違いは?

こちらを参照してください。

 

【まとめ】

心房粗動は

  • 右心房内をグルグル旋回(リエントリー回路)し
    250〜350回/分程度で心房か興奮している状態
  • P波がなく、F波が出現
  • RR間隔は規則的のことが多が
    RR間隔は伝導比率によって変化する
  • 12誘導心電図のⅡ.Ⅲ.aVFに注目する
  • 2:1伝導AFLとPSVTの鑑別はATP製剤等を投与し
    F波を見やすくすることで可能
  • 1:1伝導AFLはほぼVFと同等でDCショックが必要
  • 脳梗塞発生頻度はAF(心房細動)の約1/3で
    AFの抗凝固療法に準ずる

 

 

以上、bob.channelでした〜

読んでいただきありがとうございます。

 

 

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