刺激伝導系

刺激伝導系ってなに?刺激伝導系の目的は?心電図との関係は?

投稿日:2019年11月28日 更新日:

こんにちは、bob.channelです。

 

不整脈を学習する時に必ず出てくる刺激伝導系。

刺激伝導系ってなに?刺激伝導系の目的は?
と聞かれたら皆さんはどう説明しますか?

この質問に返答できる看護師は意外に少ないと思います。

では、さっそく刺激伝導系について説明していきましょう。

 

 

1.刺激伝導系とは

刺激伝導系とは「電気刺激の通り道のこと」です。

心臓を動かすための電気が通る道があってその道にそれぞれ名称があります。

心臓は心筋(筋肉)の働きも重要だけど、この記事では刺激伝導系に特化して説明します。

 

基本ですが、電気の通り道(刺激伝導系)は

①洞結節(=洞房結節)

②房室結節

③ヒス束

④右脚・左脚

⑤プルキンエ繊維 に分けられますよね。

 

こんな感じですね
⬇️

手描きですみません。。。笑

 

刺激は洞結節から始まりプルキンエ繊維を伝わって心室全体に広がります。

洞結節からの刺激は60回/分 以上で洞結節が動かなかった場合に備え、洞結節より下位でも電気刺激を発生させ心臓を動かす機能があります。

洞結節より下にいけばいくほど刺激の回数は減ります(徐脈)。

例えば、房室結節付近(房室接合部=房室結節+ヒス束)の刺激ではHR40〜50回/分程度、ヒス束以下になるとHR20〜30回/分程度に低下します。

 

 

2.刺激伝導系それぞれの位置と心電図波形の関係

①洞結節

⇨上大静脈が右房に注ぐ付近にあり、右心房の興奮が左心房より先行しています。

 

もう少し噛み砕くと、、、

洞結節は心房の真ん中ではなく右心房側にあるから電気刺激は右心房→左心房の順に伝わるわけです。

 

意味はわかったと思うんですけど、だから何なの??
と思いませんか?

 

結論からいうと、電気刺激が右から左に伝わっていることを覚えておくと右房負荷、左房負荷に気付く可能性があります(12誘導と軸偏位の理解が必要ですが)。

 

ちょっとマニアックな話ですが、

電気刺激は右心房から始まり、右心房と左心房をつなぐ心房内興奮伝導路であるバッハマン束を通って左心房に伝わります。

まとめると電気刺激は
1.右心房→2.バッハマン束→3.左心房の順に伝わるわけです。

これが何を示すかは後ほど説明します。

 

ここで一旦、
【洞結節と心電図の関係】について説明します。

洞結節からの刺激で心房が収縮します(正常であれば)。

心電図上のP波は『心房の興奮』を示します。
言い換えると、心房収縮が始まる合図なわけです。

“P波=心房収縮が始まる合図”と理解しましょう。

心房が収縮した後にP波が出るわけではないということがポイントで何となく国試の問題に出そうですよね、ひっかけ問題的な感じで笑

 

さっきの電気刺激は

1.右心房→2.バッハマン束→3.左心房の順に伝わるという話に戻ります。

心房の中で1〜3に分けられるということは
心電図上のP波も3つに分けることができます。

P波の始まりは右心房の興奮、P波の中央は左右両方の心房(バッハマン束)の興奮、P波の終わりは左心房の興奮に細分化できます。

 

例えば、僧帽弁狭窄症では僧帽弁が狭窄しているため左心房が力強くないと拍出できないですよね。
左房が力強くなることでP波は写真のように変化します。

おそらく、P波の形に注目する看護師はそんなにいないですよね、明日からこの視点も持って心電図見れますね!

左房負荷・右房負荷については診断基準があるので興味ある方は調べてみてください。

 

 

②房室結節

⇨右心房の心室中隔付近にあります。

洞結節からの刺激で心房が収縮し始め房室結節で電気刺激の流れを遅くしています

これは、心房が収縮してすぐに心室が収縮するのを防ぐため!
と理解すると覚えやすいと思います。

もし、心房が収縮してすぐに心室が収縮するとどうなりますか?
想像してみてください。

 

心室に血液を貯める時間がないため空打ちになって全身に血液を送れなくなりますよね。

 

例えば、I度房室ブロックは PQ間隔の延長で問題になることはほとんどなく基本様子観察です。

これは心房からの血液を心室に届ける時間が少し長くなっているだけで、血圧は低下しないので問題にはならないわけです。

 

こんな問題が出たら!!

Q.電気の流れが一番遅いところはどこ?
A.房室結節 です。

不応期が一番長いのも房室結節なのでセットで覚えると試験対策になりそうですね)。

 

【房室結節と心電図の関係】

房室結節を心電図上で示すとするとP波の始まりからQ波の始まりまでです。
心房の興奮開始から心室の興奮開始を示しています。

また、PQ間隔は『房室伝導』を示します。
房室伝導とは心房の興奮開始から心室の興奮開始までのことを指します。

 

 

③ヒス束

⇨心室中隔の一番上付近にあり、房室結節の刺激はヒス束を通って心室に入ります。

 

【ヒス束と心電図の関係】

ヒス束を心電図上で示すとPQ間隔の終わりごろ、Q波の手前あたりです。

 

④右脚・左脚

⇨ヒス束から左右に分かれる道(心室中隔付近)を指します。

 

【右脚・左脚と心電図の関係】

右脚・左脚を心電図上で示すとPQ間隔の終わりごろで、ヒス束よりもQ波に近い位置にあたります。

 

 

⑤プルキンエ繊維

⇨心筋細胞が刺激を伝える末端です。

 

【プルキンエ繊維と心電図の関係】

プルキンエ繊維を心電図上で示すとQ波始まりからR波付近までです。

 

さらに、

  • QRS波→心室の興奮(心室の収縮)を示します。ここを 脱分極(心室の放電)と言います。
    細かいことをいうと心室が収縮する合図(収縮し始め)を示してます。

wide QRSとは(イメージするために)

→通常は洞結節からの司令(刺激)で上から順番に刺激が伝えられ
それぞれが役割を果たしてくれます。しかし、心室性補充調律の場合は
洞結節含めた上からのサポートがなく、心室が単独で動くため収縮にも時間を要します。
それだけ普段よりも時間を要するためQRS波の幅がwideになるイメージです。

  • T波→心室の興奮がさめることを示し、言いかえると心室の拡張のことです。
    ここを 再分極(心室の充電)と言います。ちなみに、心房の充電はQRS波に隠れて見えません。
  • QT間隔心室の収縮からさめることを示します。QT延長は 致死的不整脈を引き起こすことがあるので注意が必要な所見ですね。

 

QT時間は約0.4秒以内が正常ですが、正確に診断するには
RR間隔(心拍数)で補正したQTc(補正QT間隔)を計算する必要がありますが、
計算式を覚えてもあまり意味がないので、自動計算のアプリ等に数値を入力すると
楽に求めることができます。

ちなみにQTcは男女で基準値が異なりますが、約0.36〜0.44秒です。

心電図の大マスで2マス以上の場合はQTcを求めてみるといいかもですね。

 

㊙︎QT時間を素早く判断するテクニック!!

医師に教えてもらったQT時間を素早く判断する方法がありまして!
正確な味方ではないので参考程度に!!

それは、RR間隔の中間に線を引きそこよりT波が右にはみでているかに注目することです!

 

 

3.刺激伝導系の最大の目的は?

心室を動かすこと(心室を収縮させ全身に血液を送ること)です。

 

 

刺激伝導系は以上です。

質問等はインスタのDMまで!

 

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